外に出なくても家族4人で一日中たのしく過ごせる家
30代のAさんご夫婦は、お子さんが生まれたことをきっかけに、「住む場所にこだわろう」と思うようになったそうです。
「家を建てるのなら妥協はしたくないので、最初から企画住宅ではなく注文住宅にすると夫婦で決めていました。私たちには室内でする趣味がないので、居ること自体を楽しめる家にしたいというのが目標でした」
「スマホのケースを木製のものにしているほど木が好き」という旦那さんの好みもあり、
住宅展示場などを見ていく中で見えてきた理想像のひとつは、“木をたくさん使っている家”。
そんな家を探してたどり着いたのが三五工務店でした。
「三五さんのモデルハウスを見に行ったとき、木に包まれるような雰囲気はもちろん、自然素材を使っているのも気に入りました」
体感上の広さまでコントロール
“居ること自体を楽しめる家”のもうひとつのポイントは、“広さ”でした。
「札幌では広い土地には暮らせないので、敷地の端から端まで使い切りたい」というAさんのご希望に応え、三五工務店の担当者はまず、外物置ではなく玄関収納にするなど間取りを調整しながら、家自体を可能な限り広くしました。
機能面ももちろん配慮しており、Aさんは「玄関収納なら子どもの三輪車や上着もすぐに持ち出せて助かっています」とのこと。
広さを感じる上では、“体感”も大事。
この家では不要な間仕切壁やドアをなくし、“体感上の広さ”につなげているのです。
同じ畳数の家でも、目を遮るものを極力減らして視線の距離を長くすることで、より広く感じられるようになります。
そのためのポイントの一つが断熱。
断熱性能を高くすることが家中均一な暖かさを確保することにつながり、部屋ごとに暖かくするための間仕切りが不要になります。
生活の中心となるLDKも、設計上の細かい調整でより開放的に。
シンクまわりの腰壁をぎりぎりまで低くしたり、ウッドデッキとリビングの床の高さを合わせることで、「キッチンやウッドデッキで拡張するようなイメージ」に仕上がっています。
リビングの隣にある和室の引戸も開けておけば、さらに開放的に。
キッチンからは和室の窓ごしに植栽のコデマリの木まで見通せるようになっています。
「開放感があると、心のゆとりがぜんぜん違うんです」と奥さん。
この間取りは、お子さんが1階のどこにいてもキッチンから目が届くので、子育てにも役立っているそうです。
家族にあわせて便利に使える+α
「“ザ・和室”の雰囲気にしたかった」という奥さまのこだわりで、和室の造作建具にはふすま紙を、壁には和紙風の壁紙を。
部屋の境界線になる床の見切材はあえて、リビングと違う白木の色合いになりました。
畳のおかげでお子さんたちが寝転がりやすいこの部屋は今、家族の寝室代わり。
玄関側やリビング側は大きく開放できる引戸になっているので、開けておけば広々と。
誰かが眠っているときには閉めておけば気になりません。
旦那さんは玄関の正面にあたるこの場所をいずれ、過ごす場所ではなく飾る場所にしたいとのこと。
「部屋の真ん中に大きな花瓶を置いたりして、お客さんを迎えたら面白いと思うんです」
この家にしかない特別な場所
「私たちが具体的なことを伝えなくても、担当の方がうまく設計に落とし込んでくれてありがたかったです。
特に2階は私たちがあまりイメージできていなかったのですが、出来上がったときに驚いてしまうような素晴らしい場所になりました」
最大の特徴は“S字型の吹き抜け”。
「この家にしかない何かがほしい」という旦那さんのご希望と、曲線を描く形が好きという奥さんの好みを受けて担当者が提案した、ここまでのものは三五工務店にとっても初となる試みです。
「予想外の提案だったのですが、曲線にやさしさを感じるし、室内を広く感じる要因にもなっていて、お気に入りの場所になりました。吹き抜けごしに子どもたちと目が合うと、いつも幸せを感じます」とご家族にとって特別な場所になりました。
吹き抜けに面したフリースペースには最初から、奥さんのピアノを置くと決まっていました。
そのことから設計段階でピアノと色が合うように、ライトや階段の手すり、シーリングファンなど、黒を基調にした色合いにさりげなく統一してあるのも、2階のポイントのひとつです。
2階のフリースペースには、すべり台やおもちゃも置いてあって、お子さんの遊び場に。
「来客のときには子どもたちをフリースペースで遊ばせておいて、大人たちは1階でおしゃべりをしたりしています。2階の様子は吹き抜け越しに分かるので安心です」
「子どもが寒くて厚着になったり、狭かったりして自由に遊べなかった」というアパートでの以前の暮らしと違って、今は家中がお子さんの遊び場。
「そのおかげで一日中、家に居られます。子どもとずっと一緒にいて煮詰まってしまっても、階を変えると気分が変わって、子どもの機嫌も良くなったりするんです」
フリースペースは「子ども部屋が必要になるのはしばらく先だから」というご夫婦の意向を反映しつつ、いずれ必要なときに壁を立てて部屋に変えられる設計に。
ご家族のライフステージに応じて臨機応変な使い方ができる間取りになっています。
居心地が良いと、楽しめることが増える
ご夫婦の寝室は2階にあり、その奥には旦那さんが「命をかけた」という書斎が。
コンパクトな部屋ではありますが、窓を極力大きくして、自分にぴったりと合う高さのデスクを造作し、背面の壁一面を棚に。
ライトの位置にまでこだわり、壁紙もご自分でセレクト。
在宅勤務のときの仕事場でありながら、そこにいるだけで楽しくなるような“秘密基地”になりました。
この家を建てることで、単に自分のお気に入りの場所ができただけではありません。
ご夫婦ともに、「それまでとは生き方が変わった」とのことです。
旦那さんは庭の芝刈りが楽しみに。
「家を建ててみたら、芝刈りが楽しいことに気づきました。
すごくきれいになるし、さまになる家だから、冬になるまで子どもと一緒に週1回は刈っていました」そんなに続くとは、本人にとっても奥さんにとっても意外だったそうです。
一方で奥さんは「いい家だから、きれいに保ちたいという意識が生まれて、食器洗いさえ楽しくなっています」キッチンは奥さんが好きなようにつくりあげた場所。
棚には、じっくりと楽しみながら選んだ思い出の品々が並び、「壁のタイルを眺めながら晩酌できるくらい」というほどのお気に入りになりました。
「“こんなにいい家ないよね”と夫婦で言い合っているんです。
子どもたちが主体的に活動できるくらい大きくなって、家族がそれぞれ家の中のいろんな場所で活動を始めて、家を最大限に使えるようになるのを今から楽しみにしています」