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暮らしのレポート

天井の高い2Fリビングの広がりと家事動線・収納を大事にした二世帯住宅

天井の高い2Fリビングの広がりと家事動線・収納を大事にした二世帯住宅

大学生と高校生の息子さんがいる50代のWさんご夫婦。
奥さんのお母さんが暮らす家が古くなり、新たな二世帯住宅を建てることになりました。

一度は別のハウスメーカーで話を進めていたもののプランがまとまらず、インターネットで調べ直していて見つけたのが三五工務店。
旦那さんから「好きな感じでしょう?」と薦められ、奥さんは「まさに」と思ったそうです。
好印象だったのは、木のぬくもりを感じる家であること。
旦那さんは「自分が道産子だから」道産材を使っているところにも魅力を感じたそうです。

見学会で実際の家を見た際には「キッチンとユーティリティーがつながっているなど家事がしやすそう」なことも好印象。
案内した設計スタッフが家事動線などの設計意図や工夫をご説明したところ、奥さんのイメージと近く「波長が合った」こともあって、三五工務店で建てることが決まりました。「三五さんはトップダウンじゃなくて、私たちと一緒につくってくれるところが良かったです。
設計の蝶野さんだけではなく、施工管理の菅谷さんともとても波長が合いました。
フットワークが軽くて助かりました」

Wさんたちは当時のお住まいが近所だったこともあり、建設中に現場を何度も見学していました。
特に高校生の息子さんは学校の帰り道にひとりでもたびたび立ち寄っていたそうで、「棟梁や職人さんたちも顔を覚えてくれていて、いつ行っても快く迎えてくれました」とのこと。

ご家族にとって「設計が決まるまでも、建築中も楽しい」家づくりになりました。

どちらも妥協しない二世帯住宅

土地はもともと、奥さんの祖父母の代から住み継いだ場所。
当時から二世帯住宅で、2階リビングの良さは実証済みでした。
建て替える家も同じく2階リビングの二世帯住宅になりましたが、時代の変化やご家族の暮らし方に合わせて、プランは大幅に変わっています。

まず、敷地の中で日当たりが良い方に、お母さんが暮らしやすい1階建の居住空間を。
そこに隣接して、ご夫婦と息子さんたちが暮らす2階建を。
結果的にどちらも日当たりが良くて、前より見晴らしの良い家になりました。

「近すぎず、遠すぎない距離」を心がけた二世帯住宅。
玄関は別ですが、外にでなくても室内から行き来できます。

お互いに生活音が気にならないよう間は防音壁にしていますが、ご夫婦の寝室はお母さんの居住空間の上に重なっており、「意図した設計かは分かりませんが、ここで寝ていると、1階のお母さんとのつながりも感じられて安心できます」とのことです。

悩んでいることは設計で解決

「蝶野さんは、私たちの要望を否定することなく、その上で『こういうのもできますよ』とか『こういう形にするお客さまが多いですよ』と、やんわり別の提案もしてくれるのが好印象でした。
お休みの日に行ったカフェでうちに合いそうなライトを見つけたと連絡をくれたりと、私たちの家のことをいつも気にかけてくれていて嬉しかったです」

ご夫婦で意見が分かれたときに、設計スタッフの提案で解決することもありました。
トイレ内の棚はその一例。
「扉はいらない派」の旦那さんと、「中身を隠したい派」の奥さんで意見がまとまりませんでした。
結局、扉をつけなくてもトイレ正面から中身が見えないよう、両サイドから物を取り出す形の棚を造作。
ご夫婦は「両方の希望を叶える提案で感動しました」とのことでした。

もうひとつの悩みは本棚。
マンガも含め全部の本を一箇所にまとめたい。
廊下には本棚を置くスペースがあるけれど、お客さんに見られる場所にマンガを並べておきたくないし、地震のときに本が崩れて避難の邪魔になるかもしれない…。

このお悩みは、ロフトをつくるという提案で解決となりました。
ご夫婦の希望で天井を高くしていたLDKのキッチン上のスペースに着目し、そこにロフトを追加。
本棚を設えつつコンセントやテレビの配線も用意し、本を読んだりしながらゴロゴロできるスペースに。
旦那さんは「壁が白いので、いつかプロジェクターを置いて映画を観たい」と思っているそうです。

このロフトは予算内に収まり、ご家族にとって良いことづくめな追加提案になりました。

より広く“感じられる”空間づくり

ご夫婦の希望で天井を高くすることになったリビングについて、設計スタッフが気をつけていたのは「体育館のようなただ広いだけの空間にしない」こと。

そのため、天井に傾斜をつけた片流れ屋根にしつつ、空間のアクセントとして、構造上は不要なものも含め梁を2本通しています。
これらの梁は、ご夫婦がもともと予定していたハンモックやスポットライトを、自由な位置に付けるのにも役立っています。

リビング内のテレビ上部には横長の窓。
「ソファに座ると空が見え、立ち上がると山が見える」など見晴らしが良く、なおかつ道路を挟んだ向かいの家はまったく見えないよう配置してあります。
ここの壁はテレビの配線などのために少しふかしてあり、その厚みを利用して仕込んだ間接照明もご夫婦のお気に入りです。

テレビの横には奥さんが事務作業などにつかっている書斎スペースがあります。
壁2面の棚に必要なものが全部収まっており、「座った状態ですべて手が届く」快適さ。
すべてを壁で囲うのではなく適度な抜けをつくっているので閉塞感はなく、それでいて集中しやすいので、作業がはかどります。

暮らしを手助けしてくれる収納と家事動線

この家には、整理収納アドバイザーである奥さんの知見が活かされており、どの棚にも専用ケースやファイルがきれいに並んでいます。
特にキッチンにはこだわりがいっぱい。
設計段階で収納する物が決まっていたので、すべてぴったりサイズに収まるように収納はすべて造作です。

例えば、調理中の手元が見えないように、カウンターは少し高めに。
この高さを活かしてカウンターの裏側には調味料などを隠せるニッチを設えてあります。
さらにカウンターの前側は全面が引き戸付きの棚になっており、ここがリビングの収納になっています。
キッチンの奥には少し出っ張る形でパントリーがあり、ここにも事前に入れると決まっていたものがきれいに収まっています。
ここも書斎スペースと同じく、壁2面の棚から「すべてのものを歩かずにとれる配置」がポイントです。

食器棚はシンクの背後にある引き出し式の棚に収まっており、使いやすさとすっきり感が両立しています。
キッチン横には水周りが集中。
トイレ・洗面室・脱衣室・浴室が一直線に並びます。
「料理の合間に洗濯もできて助かります。
脱衣室には前の家の頃から使っているアイロン台を置けるようにしてもらったので、洗濯・物干し・アイロンがけがここで完結するようになりました」水周りのそれぞれの部屋をドアで区切れるので「脱衣室と浴室を誰かが使っていても、洗面室とトイレに行ける」とご家族にも好評です。

遊び心に応えてくれる家

リビングのベランダは周囲の目が気にならないよう木の塀で囲われており、アウトドア好きな旦那さんはここにテーブルを出し「朝食を食べたり、お茶をしたり」に使っているようです。
「今後はここにもハンモックを吊るしたり、物干しにも使ってみたいと思っています」

現在ペットはいませんが、梁などがある立体的な室内空間には「猫が喜びそうなところがいっぱいある」と旦那さん。奥さんが猫を連れてくる日も遠くないのかもしれません。
この家には広いお庭もあるので、焚き火やバーベキューも気軽にできます。
周囲の目線を遮ってくれるよう、建て替え時に木を植えたので「育つのが楽しみ」とのことです。

ご家族がそれぞれの暮らしを最大限に楽しんでいるWさんのお家。
遊び心に応えて、これからも楽しいことが増えそうです。