【結果発表】第1回SANGO学生プロジェクト設計コンペ
第1回SANGO学生プロジェクトコンペディション「新しい戸建て賃貸住宅の提案」
多様化するライフスタイルに合わせ、
道産木材を使用した「いごこちのいい暮らし」を新しい戸建て賃貸住宅と共に募集しました。
審査員による厳正な審査の結果、入賞作品が決定しましたので、審査員コメントと合わせて発表いたします。
■最優秀賞:賞金10万円・建築に向けてプロジェクト始動
受賞者:中村 廉さん・岡野 麦穂さん・青木 蓮さんグループ(東京理科大学)
【家族と光を繋ぐ家】
戸建て賃貸を利用する働き手世代に向けて道産木材と薪ストーブの温もりを感じ
長手方向に貫く吹き抜けにより全体に光、熱、家族の気配が広がる住宅提案。
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・審査員コメント
いくつもの限定される条件のもと、様々なアイディアと豊かな空間構成で魅力的な建物となっている。
薪ストーブや道産木材といったキーワードを軸に光、風、スキップフロアで繋がれた部屋と展開、そこに垣間見える豊かな暮らしはそのしつらえがあればこそ。シンプルなフォルムにまとめ上げている点を高く評価。
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■優秀賞:賞金3万円
受賞者:白幡 結衣さん(札幌市立大学)
【間のある暮らし】
個室でもLDKでもない中間的な「間」が緩やかに家族を繋ぐ住宅を提案。
「間」の空間には植物が多くあり、どの部屋からも緑を感じられる。
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・審査員コメント
建物の中央にシンボルツリーのある大胆なコンセプト。
住宅の機能を突き詰めていくと忘れてしまいがちになる“大事なもの”を思い起こしてくれた。
現実を踏まえるとやや無謀な感じで、アイディアとしてもこれまでにまったく無かったかといえばそうではないだろうが、若い世代の自由な発想に刺激をいただいた。
それは、「住吉の長屋」に初めて出会った時に、「あぁこれでいいんだ、こうでなくてはならないんだ」と
思った感覚に似ているのかもしれない。今後の更なる活躍に期待。
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■佳作:賞金1万円
受賞者:湯川 智咲さん(日本大学)
【piha】
フィンランド語で「庭」を意味するpihaがコンセプト。
中庭を中心に、家族の視線や動きを意識的に繋げた住宅提案。
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・審査員コメント
全8ページにわたる、力の入った作品です。
三五工務店がこれまで進めてきた考えやデザインソースを手堅く踏襲したかのような案は、
明日からそのまま実施設計に入ってもよいと思えるほどの良い出来栄えでした。
それだけに、今回テーマにあげた「新しい…」という視点では少し及ばないところが
あったのではないでしょうか。周辺の環境、建物を考慮した点も評価できますが、
もう少し抑え気味にして自身の建物をアピールする表現方法もあったのではと思います。
僅差ではありましたが佳作とさせていただきました。
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なお、最優秀賞に選ばれた作品は、選考案を元に実際に当社で建築予定。
計画実施に向けて受賞者と設計室が打ち合わせを進めてまいりますので、どうぞお楽しみに。
【総評】
今回の学生プロジェクトコンペティションにおきましてたくさんのエントリー並びに
応募をいただきましたことお礼申し上げます。
残念ながら入賞にいたらなかった作品の中にも数多くの優れた作品がありました。
本当はそちらもご紹介したいと思うのですが、三五工務店にとって初めてとなる試みで
不慣れなこともあり、今後の課題とさせてください。
新しい住まいの形とは何か…。いくつものキーワードが浮かびます、働き方改革、おうち時間、SDGs、癒し、家族のあり方、暮らし方の変化、ライフサイクル…。
今回のコンペのテーマを単に「戸建て住宅の提案」ではなく「賃貸住宅の提案」としたのは、特別な時代を過ごす我々にとって新しい住まいの形とは何か、今までの持ち家一辺倒のあり方から一歩踏み込んで考えていく必要があるのではないかとの問いかけでもありました。
応募いただいたそれぞれの住まいの形のなかにいくつものヒントがあります。
このコンペが共に新しい明日を作り出すきっかけになれば幸いです。
最後になりましたが、当社の考えに共感いただき、企画に後援をいただきました
「北海道」並びに「道産木材製品販路拡大協議会」の関係各位の皆様に心から御礼申し上げます。
学生プロジェクトスタッフ 代表 田中 伸明