【結果発表】第2回SANGO学生プロジェクト設計コンペ
第2回SANGO学生プロジェクトコンペディション「暮らしと小屋」。
私たちが目指すのは家づくりの先にある暮らしづくり。
そのことを踏まえ、既存の小屋の形式に固執しない道産木材を使用した個性あふれる小屋を募集しました。
審査員による厳正な審査の結果、入賞作品が決定しましたので、審査員コメントと合わせて発表いたします。
■最優秀賞:賞金10万円/該当者なし
■優秀賞:賞金3万円/該当者なし
■コンセプト賞:賞金1万円
受賞者:佐古統哉さん(東京理科大学)
【十平米の孤独】
独りになれない現代の暮らしに疲れ果てた人々のための
最後の孤独空間としての小屋の提案。
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・審査員コメント
「独りになれない暮らしに疲れ果てた我々のための最後の孤空間としての小屋の提案」というコンセプトのもと
現代のSNSをはじめとする情報過多の社会でこの‘’小屋‘’こそが癒しの空間になり得るのではという提案でした。
常に癒しを欲している審査員の共感を得やすかったことを差し引いても、
そのプレゼンの力量と相まって‘’小屋‘’の可能性を感じさせる作品でした。
残念ながら、商品化への展開に結びつくような形状・形態ではないのではとの評価から
コンセプト賞にとどまることとなりました。
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■佳作:今泉友希さん(芝浦工業大学)
【感食する栖】
昨今の暮らし方・食生活の変化から生まれた第2の家としての小屋の在り方。
間食を感食にするための豊かな暮らしの提案。
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・審査員コメント
まだ一般的ではないが、感食という言葉がある。
作者はそれを「五感を思いっきり使って感動して食べる」といい、
それを‘’小屋‘’という形と結び付けて表現してくれた。
その試みや軒を伸ばした形状、違う二つの小屋を組み合わせた配置などの発想を評価。
形態として‘’小屋‘’ではなく四阿ではないかとの意見もあったが佳作といたしました。
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■佳作:竹内環さん(武庫川女子大学)
【木漏れ日の隠れ家】
住居であることを意識させつつ、木に寄り添った空間。
趣味を詰め込んだ自分だけの隠れ家としての小屋の提案。
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・審査員コメント
今回の課題は、小屋の中にあれもこれも欲しくなり、結果的に詰め込みすぎて破綻している作品も多かった。
トイレは小屋の中にいるのか、ロフトへは階段でなくてはならないのか
(例えば大黒柱をよじ登ってもいいかも)等々。
いかに引き算して考えていくか、竹内さんの作品もそのことが必要と思われる。
その辺りを踏まえると発展的な案となる可能性を評価。
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【総評】
今回の課題は『小屋と暮らし』ということで、どんな作品が集まるか、昨年以上に期待をしていました。
しかしながら集まった作品のなかに、斬新な提案や商品化に発展していくようなものがなく
大変残念な思いでおります。
前回と比べ応募数も低調でした。
そう思いながら、その中から最優秀賞、優秀賞を決めるのも応募者の方々に
失礼に当たると考えこのような審査結果にいたしました。
コンセプト的なものから実用化に軸足があるものまで
集まれば良いと敢えて自由度を持った募集内容にしていましたが
課題にもう少し具体的な考え方や事例の情報を上げておくべきだったと我々も反省しております。
そこで次回も『小屋』を継続テーマとし、今回の結果を踏まえながら再度作品を募集いたします。
詳細につきましては、またこの場にてお知らせいたしますので、来年の発表までお待ちください。
皆さまの今後に期待しております。
最後になりましたが、当社の考えに共感いただき、企画に後援をいただきました「北海道」並びに
協賛いただきました「株式会社 ハルキ」の関係各位の皆様に心から御礼申し上げます。
学生プロジェクトスタッフ 代表 田中 伸明