施工実績 WORKS

商業木造建築

【札幌市中央区】HBA/オフィス

施工時期 2024年10月
設計・施工 35design
建主名 株式会社HBA
住所 札幌市中央区北4条東4丁目1-1 創成クロス

市内各地に散らばった拠点を集約するオフィス移転の際、働く社員に「ABW(Activity Based Working)=その時々の仕事の内容に合わせて、働く場所を自由に選択する」という新たな働き方を提案したいとご要望をいただき、複数階にわたる事務所内で5・7・8階の3フロアに各階異なるコンセプトのABWスペースをご提案しました。

5階は入口正面の一部を外勤者のためのスペースにしたいというご要望に伴い、造作家具でのワークスペースをご提案。
メインとなるデスクは正円天板を分割し、配置をズラすことで個々の活動範囲を確保。
またデスクの脚となっている各パイプは天板の面からはみ出すことでフレームに傘や上着を掛けることもできる機能面も加えました。
同じくシナ材でつくったプランターと一体化した扇状のソファは空間に彩りを与える存在としてデザイン。
限られたスペースの中で円弧や直線、面と線といったシンプルな形で構成ながら、配置のズレを利用するなどして働く人たちの快適さを追求しました。

7階はABWスペース全体を落ち着いたトーンの中にも北海道らしさを感じる空間としてご提案。
35GROUPが得意とする木・鉄・石の自然素材の使用にグリーンを加えた4つの要素でデザインしました。
空間のシンボルとなる大きなテーブルは足元に黒皮鉄板、天板に道産カラマツ集成材を使用。
同じ道産カラマツ集成材を使用したベンチには丸太モチーフのテーブルで一部遊び心を加え、社員がドリンク片手に談笑するスペースには札幌軟石のカウンターを造作。
いずれも北海道の自然素材を多く使用し、室内でありながらも自然の経年変化を楽しめます。
またプランターと一体化したナラ材を使用したソファとメインテーブルの中央部には本物のグリーンを入れ、オフィス内でも緑に囲まれたいごこちのいい空間を演出しました。

8階は窓際のベンチと中央の造作家具にてワークスペースをご提案。
オフィスという畏まった空間の中に、公園のような柔和な空間を作ることをコンセプトにメインとなる中央の家具をデザイン。
150角の道産カラマツ集成材のみで構成した家具は、背もたれのない場所をつけることで座り方の自由さと、座面の高さに変化をつけることでカウンターにもなる使い方の自由さのあるデザインに。
遊具のような家具の中で、社員の交流や活動の活性化を促す空間を目指しました。
また同フロアにある受付スペースには待合のためのソファを設置。
来客の緊張をほぐす存在となるよう、シンボルツリーを囲み座るデザインにしました。